南部鉄器工房 OITETSU

Process

工房と鉄瓶の
制作工程

背景

宝鉄堂

初代鋳物師享保15年梵鐘治工、及川源右衛門重盛から時を経て
10代及川鉄が昭和25年に羽田町田茂山に南部宝鉄堂及鉄鋳造所を創業。
現在は2代目鉄 及川栄喜が継承して
伝統的技法の焼型で南部鉄器を制作しています。
材料は昔ながらの製法にこだわり、
山の恵みの粘土、砂、木炭、漆、鉄、川からは川砂とその土地の資源を使い、
丁寧に手作りで制作されます。
一つ一つの作品には職人の美と技や侘び寂びが感じられます。

  • デザインを決めて木型制作

    形や文様などを決めて、形の半径を薄い鉄板で作る。

  • 型挽き

    馬と言う道具に木型をセットして、回転させながら
    最初は粗い砂をつかいだんだん細かい鋳物砂を使仕上げていく。

  • 文様押し、肌付け

    模様に合った道具を使い鋳型に押し、筆で鋳肌を作る。

  • 型焼き

    木炭を使用し900度位の温度で鋳型を焼く

  • 中子作り

    中子用の型に中子用の砂を詰めて作る、そして乾燥させる。

  • 鋳型のセット

    鋳型に中子を入れ上下合わせてセットする

  • フキ(溶解、注湯作業)

    甑で木炭、コークスを燃料にして鉄を溶かし、鋳型に注ぐ

  • 仕上げ作業

    焼き付いた砂や、バリなどを取り製品の形に仕上げる。
    製品を炭で焼き酸化被膜を作り金気止めをする。
    木炭を使用するとより深い酸化被膜が出来る。

  • 着色

    木炭の熱加減で焼付して漆を塗る。
    及鉄鋳造所では主に錆色(茶色)や黒で色をつけています。

焼型製法の鉄瓶の伝統的技法

つまみは虫食い、口は姥口といいます
虫食いは透かしになっており、熱を逃して軽くするという機能的な特徴と、見た目に風流な特徴があります。
姥口は湯気を対流させお湯をまろやかにします。
座付の袋鉉で、平富士型の砂鉄製鉄瓶です。袋鉉は中が空洞で熱くなりにくい特徴があります。
袋鉉の他にはむく鉉があります。
龍の文様を写真の道具を使い鋳型に押してできた鉄瓶。
つまみは虫食い、口は姥口で張り鉉の上部は2つに別れた袋鉉です。
着色は錆色(茶色)の焼付漆塗りです。
鋳型に花の文様を押した筒型の砂鉄製鉄瓶です。
尾垂れ 上下の合わせの部分を尾長鳥をイメージして隠しています
デザインした文様を鋳型にへら押しする道具です。
繊細な文様をつけることができます。